「薬膳を学びたい!」
「薬膳の基本知識ってどんなこと?」
「おうちで薬膳料理って作れるの?」
健康や美容への意識が高い人たちの間では、薬膳への興味が高まっています!
しかし、そもそも薬膳って何?どんな内容なの?と思っている人も多いはず。
実際私も、初めて薬膳に興味を持った頃は、難しい漢字や言葉が多くてよくわかりませんでした。
ですが、薬膳の基本は意外と身近な考え方で、日々の生活に気軽に取り入れられるんです!
薬膳の基本知識を学べば、体質や体調改善につながる料理を作れるようになったり、薬膳の資格を取ったりすることも可能です。
本記事では、薬膳の基本知識と考え方についてわかりやすく解説します。
簡単に作れるおうち薬膳レシピも紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
薬膳とは、体に良い食べ物を使った料理のこと
そもそも薬膳とは、体に良い食べ物を使った料理のことを指します。
中国伝統医学に基づき、食事療法を兼ね備えた考え方の料理です。
季節や体質に合わせた食材や調理法を用いて、様々な体調不良を改善します。
例えば、身近な薬膳料理には以下のようなものがあります。
- 杏仁豆腐
- サムゲタン
- 黒豆茶
杏仁豆腐は有名なスイーツですが、滋養強壮や美容効果の高い杏の種を使っているのはあまり知られていません。
薬膳は、実はとっても身近な料理なんです!
薬膳がそんなに身近だとは知りませんでした。薬膳について、もっと詳しく教えてください!
次の章で、薬膳の基本知識について詳しく説明していきます。
薬膳の基本知識と考え方6選
薬膳の基本知識と考え方を、6つ紹介します。
- 陰と陽
- 気・血・水
- 五行学説
- 五臓
- 五味
- 五性
初めて聞く言葉も多いと思うので、詳しくご紹介しますね!
陰と陽
薬膳では、世の中にある全ての物事は陰と陽に分けられると考えます。
- 陰:暗い、冷たい、重い、湿る
- 陽:明るい、暖かい、軽い、乾燥
体が陰陽どちらかに偏ると、体調不良を起こすと考えます。
例えば、体が陰に偏れば冷え性、陽に偏れば体の火照りといった症状です。
太陽が出ている日中は陽、暗くなる夜間は陰という考え方もあります。
日中は体を動かし、夜間は体を休めるといった基本的な生活リズムが崩れると、陰と陽のバランスが崩れて体調を崩してしまうんです。
薬膳では、陰と陽のバランスが大切だと覚えておきましょう!
気・血・水
気・血・水とは、体の状態や治療法を見つけ出す考え方のひとつです。
意味 | 不足・停滞時の症状 | |
気(き) | エネルギー | エネルギーが不足し、体が疲れやすくなる |
血(けつ) | 体のかなを流れる赤い液体(血液) | 血液の流れが停滞し、肩こりや頭痛が起こる |
水(すい) | カラダの中を流れる血以外の液体 | 水分不足により、乾燥肌や便秘になる |
薬膳では、気・血・水のバランスが崩れたり、どれかが不足したりすると体調不良になると考えます。
疲労や肩こりといった身近な不調も、気・血・水のバランスが崩れているからだと考えられるんです。
気・血・水のバランスも、薬膳における重要な考え方です。
五行学説
五行学説とは、地球に存在するものは「木・火・土・金・水」の5つの性質に分けられる、という考え方のこと。
「木・火・土・金・水」がお互いに助け合い、バランスを保っていると考えます。
イメージ | 意味 | 季節 | 人間の体 | |
木 | 発散・柔軟・伸びる・成長・上昇 | 草木のように上や外に向かってぐんぐん伸びる様子 | 春、東風 | 肝 |
火 | 熱い・明快・上昇 | 炎のように火が燃え盛る様子 | 夏 | 心 |
土 | 植物・動物・甘・生成・発育 | 植物を生み出し、動物が生活するための土台 | 脾 | |
金 | 清涼感・清潔 | 澄んだ光沢感を持ち、清涼感のある金属 | 秋、乾燥した西風 | 肺 |
水 | 下降・寒冷 | すべての物を潤し、上から下へ流れていく様子 | 冬 | 腎 |
「木・火・土・金・水」を季節や人間の五臓に当てはめ、病気の診断や治療に応用する考え方なんですね。
難しい言葉が多くて、ついていけなくなりそうです…
薬膳の基本的な考え方をあと3つを、サラッと説明していきますので安心してください!
五臓
五臓は、人間の体の「肝・心・脾・肺・腎」のこと。
薬膳では、食材には五臓の働きを促進する効果があると考えます。
五臓のそれぞれの働きは、以下の通りです。
- 肝:血を作り体全体に巡らせ蓄える
- 心:精神・意識をコントロールする
- 脾:胃や小腸などの消化器官
- 肺:全身の気と呼吸をコントロールする
- 腎:人の成長や発育に関わりのある臓腑
五臓のいずれかの機能が低下すると、何らかの体調不良が起こると考えられます。
例えば「風邪の原因=肺の機能低下」と考え、「肺」の機能を高める大根やレンコンといった食材を積極的に食べるのが薬膳の基本です。
次は「五味」について詳しく見ていきましょう。
五味
五味は、食べ物の味を「酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かん味)」の5つに分けるという考え方です。
働き | 代表的な食材 | |
酸味 | 発汗を抑え、下痢や咳の症状を和らげる | リンゴ、すももなど |
苦味 | 体を冷やし、利尿を促す | セロリ、苦瓜など |
甘味 | 痛みを和らげ、緊張をほぐす | とうもろこし、牛肉など |
辛味 | 体を温めて発汗を促す | にんにく、わさびなど |
鹹味 | 便秘などに良いとされますが、摂りすぎると血圧が上がってしまうもの | 塩、みそなど |
身近な食材の味をイメージすると、覚えやすいですよ!
最後に「五性」について説明します。
五性
五性は、食べ物の性質を「寒性、涼性、平性、温性、熱性」の5つに分ける考え方です。
- 寒性・涼性:体を冷やすもの
- 平性:体を温めたり冷ましたりしないもの
- 温性・熱性:体を温めるもの
貧血や冷え性で困っている人は、温性・熱性の食べ物を食べて新陳代謝を良くするのがおすすめです。
具体的な食材では、しょうがや鮭、玉ねぎなどが当てはまります。
逆にのぼせ症に悩む人は寒性、涼性の食べ物で新陳代謝を緩やかにして、カロリー消費を抑えるのがおすすめ。
ゴーヤやトマト、キュウリが当てはまります。
薬膳では、体や食材の性質を理解し、バランスを整えるという考え方が非常に大切です!
薬膳の基本知識は分かったので、おうちでも薬膳料理を作ってみたいです。
次の章から具体的なレシピを紹介していくので、ぜひおうちで実践してみてください。
薬膳の効果とおすすめレシピ3選
よくある不調を解消するレシピや、女性のお悩みに効果があるレシピを紹介していきますね!
どれもスーパーで買えるような食材で作れるので、ぜひチャレンジしてみてください。
冷えを解消するレシピ「簡単プルコギ♪手・足・腹部の冷えに薬膳」
引用:COOKPAD 簡単プルコギ♪手・足・腹部の冷えに薬膳
- 牛肉薄切り300g
- てんさい糖(砂糖)大さじ2/3
- しょうゆ大さじ2
- コチュジャン大さじ1
- にんにく2片
- 酒大さじ2
- 新たまねぎ1個
- ニラ2束
- 人参小1本
- 材料をそろえる。牛肉は一口大に切る。
- 適当な袋に牛肉・すりおろしたにんにく・てんさい糖・しょうゆ・コチュジャン・酒を入れ、15分以上漬ける。
- フライパンに油を入れ、加熱する。千切りした人参・薄切りした新玉ねぎを入れ、炒める。
- にんじん・新玉ねぎに火が通ったら、2を入れて炒める。
- 牛肉に火が通ったら、3cm幅に切ったニラを入れて、炒める。
- 出来上がり!
デトックス効果があるレシピ「ごぼう鍋♪お肌がキレイになりたい簡単薬膳」
引用:COOKPAD ごぼう鍋♪お肌がキレイになりたい簡単薬膳
- ごぼう2本
- 豆腐(木綿)1丁
- 人参1本
- 里芋5個
- しめじ100g
- 薬味ネギ適量
- 鶏ガラスープ1000ml
- 塩小さじ1/2
- しょうゆ大さじ1
- 豚肉(薄切り)250g
- 材料をそろえる
- ごぼうはささがきにして、水に放し、アクぬきしてから水気を切ります
- 鍋に水と鶏がらスープの素を入れ、煮立ったら、沸騰しない程度に火を弱めて、鍋に、一口大に切った豚肉を入れて
- 全部入れたら、アクをとり、2のごぼうを入れて
- 5cm幅の短冊切りにした人参・1cm幅に切った里芋を入れて
- 2cm角に切った豆腐を入れて、しめじを入れて
- しょうゆ・塩を入れて
- 薬味ネギを3cm幅にきったものを入れて
- 出来上がり!
身体を整えるレシピ「カレーポテサラ♪簡単巡りの改善漢方薬膳」
引用:COOKPAD カレーポテサラ♪簡単巡りの改善漢方薬膳
- じゃが芋500g
- 人参小1本
- パセリ適量
- 玉ねぎ1/4個
- オリーブオイル大さじ1
- 酢大さじ2/3
- 塩少々
- マヨネーズ大さじ3
- カレー粉小さじ1
- しょうゆ小さじ½
- 材料をそろえる
- ジャガイモは皮を剥き、5mm幅の薄切りにして
- 耐熱容器に入れて、ふんわりラップをかけて、500W8分レンジで加熱する
- 人参は1mm幅のイチョウ切り、きゅうりは1mm幅の輪切りにする。玉ねぎは薄切りして、水にさらし
- 耐熱容器に入れて、ふんわりラップをかけて、500W4分レンジで加熱する
- ボウルにジャガイモを入れて、オリーブオイル・酢・塩を加えて、温かいうちに混ぜる
- ボウルに人参・玉ねぎを加え、カレー粉・しょうゆを混ぜて
- マヨネーズを混ぜて
- みじん切りしたパセリを混ぜて
- 出来上がり!
他にも薬膳料理をいろいろ作ってみたいという方に、次の章でレシピサイトと本をご紹介します。
初心者でも簡単!おうち薬膳レシピが分かるサイト・本
薬膳レシピのサイトや本を紹介するので、いろいろな薬膳料理をぜひ楽しんでください!
薬膳レシピおすすめサイト
おすすめの薬膳レシピサイトを3つ、紹介します。
どれもたくさんのレシピが紹介されているので、いろいろ作ってみてください。
cookpad
大手レシピサイトのcookpadには、薬膳料理のレシピがたくさん掲載されています。
「薬膳」と検索すると、3,296件ものレシピがヒットするんです!
本格的な薬膳料理から日常の食卓でも楽しめる料理まで、様々なレシピが紹介されています。
使いたい食材を入力して調べられるので、冷蔵庫の食材を使った薬膳料理も作れちゃいます。
手軽に、家にある食材で作れる薬膳レシピを調べたい人におすすめです。
漢方メーカー「クラシエ」のサイト
大手漢方メーカー・クラシエのサイトでも、薬膳レシピが紹介されています。
薬膳資格をもつタレントの、麻木久仁子さんが紹介するレシピも載っていますよ!
スープから炒め物まで、幅広い薬膳レシピが紹介されています。
食材の効能説明もあるので、薬膳の知識向上にもつながりますよ。
レシピ動画がついているので、文章だけのレシピでは難しいという人にもおすすめなサイトです。
株式会社和漢「和漢の森」公式サイト
株式会社和漢が運営している「和漢の森」公式サイトには、薬膳レシピの紹介ページがあります。
登録不要で体質診断ができ、あなたにあった薬膳レシピを調べられます!
自分に当てはまる症状を選択していくと、気虚・血虚・陰虚・気滞・血瘀・水滞の6つの体質のどのタイプが強いかが分かります。
自分の体質が知れて、体質改善につながるレシピも調べられるのが特徴です。
季節別におすすめの薬膳レシピも紹介されているので、季節にあった薬膳料理を楽しめます。
自分の体質を診断してみたい人におすすめの、薬膳レシピサイトです。
おすすめ薬膳レシピ本
おすすめの薬膳レシピ本を3冊ご紹介します。
3冊それぞれの特徴をお伝えしていきますね。
大人気レストラン「然の膳」の世界一美味しいカンタン薬膳ごはん
- Amazon評価:★4.1
- 価格:単行本1,430円 kindle版499円
全国の病院や医療センターなどに続々と出店しているレストラン「然の膳」が、おいしさと手軽さを追求した薬膳レシピを紹介しています。
生薬や漢方は使わず作れるレシピなので、おうち薬膳デビューにぴったりの1冊です。
からだのトラブル解決ごはん 薬膳ひとり鍋
- Amazon評価:★4.6
- 価格:単行本1,760円 kindle版1,700円
薬膳の考え方に基づいた不調の原因を解説し、不調を整える鍋料理レシピが載っています。
薬膳の考え方をとりいれた鍋料理を作りたい人は、ぜひ手に取ってみてください!
免疫力をととのえる薬膳酵素ごはん 医者が教えるアンチエイジングレシピ
- Amazon評価:★4.1
- 価格:単行本1,760円 kindle版499円
スーパーで手に入る身近な食材を組み合わせて作れる薬膳レシピが、たくさん載っている本です。
免疫力を整える食事や、老化予防で注目されている発酵栄養学の知識も書かれています。
毎日の食卓に、薬膳を簡単に取り入れられる一冊です!
薬膳料理を作っていたら、薬膳をもっと勉強したくなりました。初心者でもできる勉強方法を教えてください!
次の章では、薬膳の基本知識の勉強方法についてお伝えしますね。
薬膳の基本知識を勉強する方法3選
薬膳の基本知識を勉強する方法を3つ、ご紹介します。
- 初心者向けの薬膳の本を読む
- 通信講座で薬膳の資格をとる
- 薬膳レシピをつくってみる
1つずつ解説しますね。
初心者向けの薬膳の本を読む
薬膳の基本知識を身につけたいなら、初心者向けの本を読んでみましょう。
具体的には、次のような本が初心者にはおすすめです。
- 薬膳の専門家が書いている本
- 読みやすく分かりやすい本
- 日々の勉強に取り入れやすい本
おすすめの薬膳本や本の選び方については【これ読んで】薬膳の勉強におすすめの本7選|初心者の独学方法や簡単レシピも紹介の記事でも解説しているので、よければ参考にしてみてください。
まずは、初心者向けの本を1冊買って、読んでみてください!
通信講座で薬膳の資格をとる
もっと知識を深めたい、薬膳を学んだ知識を証明したいなら通信講座での資格取得がおすすめです。
通信講座なら短期間で資格取得ができ、知識の証明にもつながります。
また、カリキュラムに沿って学ぶので、効率よく学べます。
通信講座でとれるおすすめの薬膳資格については【違いを明確化】薬膳の資格おすすめ19選|難易度や費用を一覧で紹介【意味ないは嘘】の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
短期間で効率的に知識を身につけたいなら、通信講座での資格取得がおすすめです!
薬膳レシピを作ってみる
食材の特徴を学んだら、薬膳レシピを実際に作って食べてみるのがおすすめです。
実際に食べて効果を体感すると、使った食材の効能を自然にインプットできるんです。
インプットした知識を使って薬膳料理を作り、身近に薬膳のある生活を続けているとさらに理解が深まります。
他にも薬膳の勉強方法については【分かりやすさ重視】薬膳の勉強方法7つを初心者向けに解説|独学のコツやおすすめの資格も紹介の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
薬膳レシピをどんどん作って、毎日の生活に薬膳を取り入れてみましょう!
まとめ│基本知識が分かると薬膳は楽しくなる
本記事では、薬膳の基本知識についてお伝えしてきました。
薬膳は難しい言葉や漢字が多く、初心者にはハードルが高く感じてしまいますよね。
私自身、薬膳の勉強を始めた頃は言葉の難しさに苦戦しました。
でも、薬膳料理を生活に取り入れつつ勉強を進めると、薬膳が身近に感じられるようになってきたんです。
薬膳の基本知識が理解できるようになると、もっと学びたいという気持ちが強くなりました。
本記事で紹介した基本知識を参考に勉強を進めていけば、薬膳の勉強がもっと楽しくなるはずです!
ぜひ、本記事でおすすめした薬膳料理も楽しみながら、薬膳の勉強を進めてみてください。